朝寝て夜起きる

創作や日々のあれこれを。

無題⑥

別サイトに投稿していましたが、統合のためここに置いています。そのままコピペしていますので読みにくい部分があります。

 

急に体を引っ張られる感覚。濁流に揉まれ、息ができず苦しい。目に見えない流れに逆らえず、ただ闇雲に手足を動かすがそれすら構わず体は後ろへと引っ張られる。目の前にいる少女は未だ泣いている。彼女のすすり泣く声は耳元に鳴る雑音のせいでほとんど聞こえない。
「(あと少し、あと少しだったのに!!)」
必死に手を伸ばすものの、少女はこちらを向かない。闇夜にかき消された彼を、少女は知ることは無かった。

ゆらゆらと体がゆすられている。尻には硬いものがあり、皮膚が圧迫されて痛い。背中は縦に圧迫されては体が揺すられるのに合わせて軽く打ち付けられる。
「(あれ、俺って生きてる…?)」
薄く開けられた世界に自分がまだ生きていることを知った。
長い時間無理な姿勢で寝ていたのか背骨、特に首が痛い。思わず手を首の後ろに持っていったが両手が重くてできなかった。不思議に思ってみれば木製の手枷が嵌められていた。
「え!?」
あまりの出来事につい声を上げてしまった。生まれてこの方、手枷なんてものは嵌められたことはなかった。ずっしりと重いそれは鎖で板張りの床に繋がれていた。試しに引っ張ってみたがまったく取れる気配は無かった。
周りを見渡せば彼と同じように手枷をはめて鎖につながれた人がたくさんいた。
「大丈夫?」
控えめにかけられた声。目線だけをそちらにやると

 

途中までですがこれで無題は終了です。気が向いたら加筆修正か流用するかもしれません。