朝寝て夜起きる

創作や日々のあれこれを。

【#281】冷たいファム・ファタール

Number:#281

Class:R‐147

Name:蓬生花楓

 
 R-147は全長1.72m、体重56.0kgの日本の10代後半の美しい女性の姿をしています。通常は身体に異常は見られませんが、興奮状態になると手足の末端から鉱物化が起こります。鉱物は青色で未知の物質でできており、地球上に存在するあらゆる物質より衝撃に耐性があります。ただし、切断に関しては鉱物としては脆弱性がみられます。また、鉱物化した際の体積、質量は変化前と変わりません。更には、鉱物化した関節は変化前と変わらず滑らかに動きます。

 また、彼女は非常に顔立ちが整っているため多くの男性を虜にします。程度は異なりますが、重症化すると彼女に害を与えようとします。害を与えようとした男性は彼女を傷つけようとすると、身体全体が瞬時に彼女の体を覆う鉱物と同じものに変化し動けなくなります。この鉱物化を止めることや治す方法は現在確立されてはいません。唯一、彼女の虜にならない男性は同性愛の系統が強い者のようです。

 

 R-147はK県●●市にて一般人夫婦の間に生まれました。両親には彼女に似た特異性はみられていません。異変がみられたのは彼女が小学校高学年の夏ごろです。彼女を巡って同級生の男子生徒2名が口論になった際に、彼女の右腕が青く変色をし始めました。男子生徒はその変化に気付くことは無く、彼女の変化を目撃したのは同じ場に居合わせた同級生の女子生徒7名です。

 記録では、男子生徒同士の口論に激怒した彼女が大声を上げた際に両手が青く変色し、槍の様に指先が鋭利に尖り始めたとのこと。付近に駐在していた職員が駆け付けるとR-147の両手は手首から先が鉱物に変化し、長さ1.2mの鋭利な刃物上に変化していました。R-147は動揺からなのか現場から遠く離れた校舎裏の林にて隠れているところを発見されました。

 その後、平静を取り戻したR-147の両手は元に戻りまた。当初は原因が不明だったため、職員は目撃者やR-147に記憶処理だけを行い教師として小学校へ勤務しながら原因を探りました。結果、R-147が怒りなどで興奮した際に身体の末端から鉱物化が始まることが分かりました。更に、興奮の時間が長くなると鉱物化する範囲が広がることも分かり、職員は上司のR-7に報告を行いました。R-7はR-147に記憶処理を行わず組織に勧誘する判断をしました。

 R-147が当時未成年だったため、職員はR-147の両親に事細かに事情を説明しました。両親は親権を放棄しR-147の身柄を譲り渡すことを了承しました。以降、R-147は両親と接触することは禁止されています。またR-147の希望により両親や学校関係者、近隣住民のR-147についての記憶は全て消去され架空の死亡した人物「高橋和」を植え付けています。

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ダウナー女子の作り方